【わるあがき1on1】ポケモン剣盾仲間大会1on1_使用個体【最終レート1459_24位】
はじめに
このたび、テツポンドさんが主催をするポケモン1on1仲間大会【わるあがき1on1】に参加しました。テツポンドさんは以前自分が参加させていただいたうたう1on1という大会に参加されていた方で、決勝リーグで対戦して負けた相手でもあります。また,以前自分が参加させていただいたメタモン1on1という仲間大会の主催者の方でもあります.
1on1界隈(?)で関わりのある方が,特殊ルールの1on1仲間大会を開かれるということで,「参加するしかない!」と参加を決めました.1ターン目から悪あがきをしなければいけない1on1です.
のちの考察にてルールに触れますが,さらに細かい詳細については主催者のテツポンドさんが公開されている記事をご覧ください.
また,以前の自分の記事からはテツポンドさんとご一緒させていただいたうたう1on1,メタモン1on1の使用個体記事を紹介しておきます.双方ともに直接今回の考察と関係するわけではないですが,「悪あがきを主力技とする」というヘンテコな点で共通しています.
※タイトルの最終レートの通り,今回の仲間大会は負け越しており好成績者の考察とは言えません.ただ特殊1on1の成れの果てみたいなルールなので今後同様の仲間大会が開かれたときに1つでも先人の資料が多い方が参考になるかもしれません.失敗談の1つとして紹介しようと思います.
サムネ用
あとでルールの紹介をしますが,使用可能ポケモンが多くいる中で今回はミルタンクを採用しました.
ルールの詳細と環境予想
使用個体の紹介をする前に、ルールの確認と事前に行っていた環境予想をざっくり
ルール
- パーティは1匹のみ
- 開始1ターン目から悪あがきを使用する状態にしなければならない★
- 特性「ぶきよう」禁止
- ダイマックス禁止
- 禁伝・幻禁止
- シングルバトル ノーマルルール
★開始1ターン目から悪あがきを使用する状態とは以下を指す
【A】変化技しか覚えず,「とつげきチョッキ」を持つ
【B】覚えている技を「ゲップ」や「ほおばる」のみにし,木の実を持たない
※剣盾で廃止された技のみ覚えた状態でも初手悪あがきはできるが,今回はその方法で初手悪あがきを打つ行為は禁止
条件Aでは変化技を覚える全てのポケモンが対象となりうるため,実質禁伝幻以外の全ポケモンが使用可能となっています.
なぜか僕の記事で4回目の登場となる悪あがきの仕様です.
【わるあがき】
タイプ無し威力50の物理直接攻撃技。自身の体力の1/4を削って行う部分は身代わりと似ているが、細部は少し異なっている。
身代わりはHP消費量が小数点以下切り捨てのため、HPが4n+1~3の場合には4回打ってもHPが残る仕様となっている。それに対して悪あがきは小数点以下で四捨五入するため、4n+2,4n+3の場合も4回打つタイミングで自身のHPが尽きてしまう。
なので今大会においては特別な耐久調整がない限り4n+1にするのが望ましい.
今回はプールが広いので各特性の絡みにも注目すべき点です.,他にも関わる特性はたくさんありますが,特に気になったものをいくつか挙げます.
- 石頭:反動を無視できない
- すてみ:補正は乗らない
- 硬いツメ:補正は乗る
- テクニシャン:補正が乗る
また,必中技となっているため張り切りのポケモンが打っても必ず命中し,光の粉を持とうが躱すことはできません.
環境予想
※結果からわかるように今回の環境予想はかなりガバがあります.
悪あがきは反動が1/4と大きい技であり,打つと与ダメよりも反動の方が大きい場合があります.本記事では便宜上,悪あがきの与ダメで相手を倒すことを目的とする型を攻撃型,悪あがきを受けた時に相手に与えるスリップダメで倒すことを目的とする型を耐久型と呼び分けます.攻撃型はAが高い方が望ましく,耐久型はHBが高い方が望ましいです.素早さに関しては,相打ちの場合ちょうど悪あがきを打つタイミングで相手を倒せた方が勝つので,一概に「攻撃型はSが高いほどいい」「耐久型はSが低いほどいい」とは言えないと考えています.
攻撃型を考えるうえで,どのポケモンの悪あがきが最高火力化を把握する必要があります.与ダメの伸ばし方で最も簡単な方法が火力UPアイテムを持つことですが,初手悪あがきをする条件Aである「変化技しか覚えず,とつげきチョッキを持つ」ではアイテムがチョッキに限定されてしまいます.条件Aのポケモンをチョッキ勢と呼びます.条件Bの「覚えている技をゲップやほおばるのみにし,木の実を持たない」では木の実以外なんでも持てるので鉢巻を代表する火力UPアイテムを持つことができます.条件Aのポケモンをゲップ勢と呼びます.
テツポンドさんによると,この2つの条件を考慮したうえで悪あがきの最高火力はゲップ勢の鉢巻テクニシャンらしいです.
※アイコンはハイですが,別にローでもいいです.
このことから,攻撃型の代表をとします.一応他にも有力なポケモンとして,はりきりと悪あがきにシナジーがあるが挙げられます.
耐久型を考えるうえでもやはり木の実以外の持ち物を自由に持てるゲップ勢の方が強そうに見えます.特にうたう1on1,メタモン1on1,鬱憤晴らし1on1と過去に参加した中でも多く見られたゴツゴツメットは今大会においてヤバい強さを発揮します.悪あがきの反動が1/4,ゴツゴツメットの反動は1/6なので合計5/12,悪あがきを1回受けるだけで41.6%も相手に定数ダメを与えることができます.いや被ダメより反動ゴツメの方が多いやろ...
正直,この時点で耐久型を握るならゴツゴツメット1択くらいの感覚でいました.あっても回復系のアイテムくらいでしょうか.むしろ攻撃型を握る場合においても鉢巻をもって攻撃を1.5倍にするよりゴツメ持って相手の反動増やした方が与ダメが増えるまであるのではと思っていました.ゴツメメタになる道具として防護パットがありますが,ゴツメに対して互いにアイテムなし状態にできる防護パットよりも,ゴツメを持ってミラーに勝てるようにし他の持ち物に対する有利を取った方が強いと考えていました.
ポケモンの候補としてはゲップを覚える中で単純にHBが高いあたりが強そう~ってくらいです.他には化学変化ガスでテクニシャンなど相手の特性を消せる,砂はきで砂嵐を起こしスリップを増やせる,炎の体や毒手でスリップが狙えるはいるかもなと考えていました.
チョッキ勢についてはプールが広すぎて考察しきれていませんが,攻撃型は
を超えることが難しいので特になく,耐久型なら工夫次第で強いポケモンがいると考えていました.特に注目していたのはです.特性なまけによって自分が悪あがきを打つターンを直接なくし,反動やゴツメを受けるダメージを減らします.その分与ダメも減ることになりますが,そのターン相手が動いて反動を受けることを考慮すると優位に立てるのではないかと考えていました.HPは低いですが,ABは高いので種族値的な適正もありそうです.
他には高いHBを誇り鉄の棘スリップが優秀ななどは使い手がいそうと思っていました.
まとめると環境にいそうなポケモン予想が
ゲップ勢
攻撃型:
耐久型:
チョッキ勢
攻撃型:なし
耐久型:
個体紹介
性格:腕白
特性:厚い脂肪
個体値:31-31-31-×-×-31
実数値(努力値):197(212)-100-167(212)-×-×-131(84)
技:ゲップ
同アイテムの悪あがきミラーの対面において素早さが速い方が有利なのか遅い方が有利なのかは難しい問題です.過去の経験則において
- うたう1on1ではヒメリやゴツメミラーにおいて遅い方が有利とされていましたが,あれは歌うのppを温存したいという意図がありました.
- メタモン1on1では遅い方が有利とされていましたが,そもそも変身を先にした方が不利という前提がありました.
- 鬱憤晴らし1on1においては防護パットキザンミラーで速い方が有利な展開があったようです.
今回の大会におけるゴツメミラーでは毎ターン【反動+ゴツメ+被ダメ】を受けます.2ターン反動+ゴツメのやりとりがあると考えると実質お互いのHPは18%ほどになります.18%の体力があれば,Aに振っていない耐久型の悪あがきを2回耐えて自分だけ3回目の悪あがきを打つことで有利に立てると思い,速めのゲップ勢を探したところ
にたどり着きました.
ゲップ勢最速はですがこいつは耐久が紙なので攻撃型に押し負けてしまいます.一方素早さ2位のはHB種族値も95-105と高水準で,(95-110)くらいの耐久があることから適性があると判断しました.A種族値80も3回悪あがきを打つことを考えれば十分な数値だと思います.
調整意図
H
悪あがき反動を考慮して4n+1
ゴツメダメを考慮して6n-1
普通のの主なHP数値は201(244振り)ですが
元HP201:ゴツメ33反動50 →201-(33+50)×2=35
元HP197:ゴツメ32反動49 →197-(32+49)×2=35
となり,結局被ダメ用に使えるHPは変わらないので他に努力値を割いた方がよくなります.
S
4振り抜き
準速より速い
B
余り (ミルタンクの種族値的にBが一番高いのでここに補正をかけています)
意地A252鉢巻の悪あがき 21.3~25.3%(高乱数で4耐え)
A4の悪あがき6.9%~8.4%
基本の想定ムーブは相手の上を取り
【反動+ゴツメ+被ダメ】×2を耐えて自身は【反動+ゴツメ+与ダメ】×2+与ダメを当てて勝つ流れをになります.
結果&雑感
結果は11勝14敗のレート1459 24位でした!
かなり負け越してしまいました.理由として,環境にいた耐久型がHBではなくABの型が多く【反動+ゴツメ+被ダメ】×2を耐えられなかった試合が多かったです.また,
とはマッチングせずとも1回しか当たらなかったのでS調整が腐ってしまったため,B252にして残りをAに振るなどした方が勝率が上がったと思います.おそらくSに振らなくてものS種族値であれば多くのポケモンに先手を取り想定ムーブを取ることができたので努力値を無駄にしていました.
また,Sに努力値を割かずしっかり耐久に振ったところで,A種族値が高いAB個体の悪あがきをHP18%で2発耐えることが困難であるため,勝ち越しはできても上位は難しかったと思います.したい戦略を遂行できるポケモンがいなかったということでした.1番近いのがだと感じて採用しましたが,あと一歩惜しいところで数値が足りませんでした.HB⇒110-130くらいのポケモンがいたらできたのかもしれません.それでもくらいAが高いポケモンに252振られると耐えられないので戦略自体に無理があったと思います.
おわりに
今回は特殊1on1も遂にここまで来たかといわんばかりのルールだった悪あがき1on1に参加してきました.プール広くて選択肢多いな~と思っていましたが,なんやかんやゴツメ1強みたいな感じでしたね.
反動やゴツメダメが大きい展開において基本的には素早さが遅い方が有利という認識がされていると感じていますが,「実は速い方が有利ってこともあるんじゃない?」という部分に焦点を当てた考察をしてみました.負け越しはしましたが,想定の勝ち筋通りに進む「火力の低い耐久型」には高い勝率を出せていたので,結果としてやはり素早さ関係の有利不利は状況によるとしか言えません.明確な結果は得られなかったものの,自分の中でも前から疑問に抱いており興味がある考え方だったので身をもって検証できてよかったです.
それにしても遂に初手から悪あがきを打つ1on1まで来てしまいました.これを超える変則ルールは現れるのでしょうか... こういうの大好きなので,変なルールで環境がちゃんとしていて考察しがいのありそう(ここ重要)な大会が開かれたらまた積極的に参加しようと思います!
他の方の型も気になるのでコメントなりツイートなりで教えてくだされば嬉しいです。考察記事を書いてくれる人がいたらさらに嬉しいです。
考察・対戦ともに凄く楽しい大会でした。改めて主催のテツポンドさん、ならびに対戦してくださった方々ありがとうございました!
★主催者のテツポンドさんが書かれた考察記事になります
ルール考案者がどのような考察をしていたのか,また,運営者としての裏話(?)も読めて面白かったです. 変則ルールを穴なく作り切るの大変だったと思います.楽しい仲間大会をありがとうございました!