はじめに
このたび、はぐれさんが主催をするポケモン1on1仲間大会【滅びの歌1on1】に参加しました.1ターン目にお互い「滅びの歌」を打つことを前提とした1on1形式の仲間大会です.主催のはぐれさんは以前自分が参加したユキハミ1on1にて予選同ブロックでご一緒させていただいたことなどから,1on1のの中でご縁があり今回のルールも非常に楽しそうだと感じたので参加を決めました.
サムネ用画像
大会ルールの前提上,滅びの歌を覚えるポケモンしか参加できませんが,今回はその中でもセレビィを採用しました.色セレビィはgo産です.
ルールの詳細と環境予想
使用個体の紹介をする前に、ルールの確認と事前に行っていた環境予想をざっくり
ルール
- パーティは滅びの歌を覚えたポケモン1匹のみ(残りの技3枠は自由)
- 1ターン目はお互い滅びの歌を選択
- 2ターン目以降 【変化技,ダイウォール禁止】
- ダイマックス可能
- 過去作技使用可能
- 禁止アイテム【弱点保険・命の球】
- シングルバトル ノーマルルール
- 滅びの歌を覚えるポケモンであればどの種でもOK
1つ目のルールは大会名からも想像されるそのままのルールですが,3つ目のルールが何気に超重要です.一般的に滅びの歌からの勝利を目指す際,守る・身代わりなどを始めとする変化技を用いてターン消費⇒遅い方が後に倒れるので勝利,という流れをとります.今大会は変化技・ダイウォールが禁止されているため,滅びの歌を打ったあとの2~4ターン目はお互い殴り合うしかありません.なので滅びの歌以外の変化技の採用価値はなく,滅びの歌+攻撃技3つという構成になります.
【滅びの歌】
- 変化技
- PP 5
- この技の効果を受けたポケモンが場に出続けていると3ターン後に瀕死となる
- 音技
※音技なので防音や潤いボイスの効果が適用されます.使用可能ポケモンに防音の特性を持つ種族が存在せず,アシマリ族の潤いボイスで水タイプにすることにもメリットがないため以降の考察では考慮しません.
【滅びの歌状態】
滅びの歌を受けた状態で3ターン経過したら瀕死になる.
複数のポケモンが同時に3ターン経過すると素早さの高いポケモンから倒れる.
この仕様上,滅びの歌+3ターンで決着がつかない場合,素早さが遅い方が有利になります.
以下が使用可能ポケモンのリストです.滅びの歌の仕様上,素早さが重要と考え,S種族値で降順にソートしています.
環境予想
今回は同じく大会に参加するみずもさんと一緒に考察させていただきました.みずもさん,考察に付き合っていただいてありがとうございました!楽しかったです.
このルールには大きく分けて2種類の戦略があります.1つ目は滅びの歌を打ってから3ターンの間に攻撃して相手を倒す.もう1つは滅びの歌を打ってから3ターン耐久して滅びの歌の効果で先に相手に倒れてもらう.本記事では便宜上,前者を攻撃型,後者を耐久型と表現します.攻撃型はAやCが高くSも高ければ望ましい,耐久型はHBDが高くSは遅い方が望ましいという状況になります.
どちらの戦略を使用するにしても,滅びの歌を打った後の3ターンはお互いにダイマックスすることになると予想されます.
強そうなアイテムを列挙すると
- 黒い鉄球,矯正ギプス,パワー系アイテム
- 耐久型用のアイテムで,自身の素早さを半分にする.耐久型の戦略では遅い方が勝利しやすいので採用価値は高い.本記事では『鉄球』に統一します.
- 喉スプレー
- 太い骨
- ガラガラ,Aガラガラ専用アイテム.これのおかげで物理火力No.1の称号を得ています.
- 気合の襷
- 紙耐久かつ素早さが高い攻撃型ポケモンに持たせます.主にゲンガーを想定しており,喉スプレーを持ち1.5倍のダメージを与えて反撃でワンパンされるくらいなら襷を持って2回殴った方が与ダメが増えるという考え方ができます.単純に2倍というだけでなく,ダイアシッド・サンダー・ソウゲンなど2発目の方が威力が期待できる技を採用する場合はさらに襷の恩恵が受けられます.ただ,紙耐久のゲンガーとはいえダイマ状態でワンパンされることは稀であり,ガラガラ両種など高火力ポケモンと当たったときしか意味を為さないので環境読みが回った場合に採用が検討されるかなくらいに考えていました.一応ミラー時の安定感を増すはたらきも担うことができます.
- 半減実・回復実
- 進化の輝石
また,強そうでTier1レベルである対策必須ポケモンとして耐久型からは鉄球ラプラス・攻撃型からはスプレーゲンガーと太い骨原種ガラガラを設定しました.
【事前に考えていた3強】
- ラプラス@鉄球
- おそらく環境トップポケモン,耐久型を考えるうえでキョダイセンリツが強すぎる.
- スプレーゲンガー
- 喉スプレーの仕様上,先手をとらないとアイテムを発動することができないことを加味すると,C130/S110の値はスプレーを持つポケモンとして適性が異常に高い.
- 太い骨ガラガラ
- 物理最高火力.アローラより原種のほうを優先した理由はゲンガーと原種に対する耐性の差
この3体を基に環境に多そうなポケモンを考察していきます.
※最終的に使用したセレビィは直前に思いついたのでこの時点では考察に挙がっていません.セレビィの強みや考察については使用個体解説にて行います.
ポケモンごと考察
【強そうなポケモン】
上位をとれる可能性のあると感じたポケモンに触れていきます.
- キョダイセンリツ最強!ダイスチルやダイアースを覚えることもでき,耐久面は申し分ない.S60が若干高く,自身より遅い耐久型が鉄球を持つと不利な面だけが気になる.
- HBに振り切ってセンリツを貼ればのダイアース+ダイサンダー×2を耐えるほどの耐久があり,並みの攻撃型では押し切ることができない.
- たたき台として想定していたのは,耐久ベース@鉄球 滅び,吹雪,地割れ,アクブレの型.環境全体が特殊耐久に寄っているため物理型が多いだろうと踏んでいた.
- 他のポケモンにも言えることだがミラーが不毛であること.同速に持ち込むために微量の耐久調整に留めてほぼCSに振り切らないといけないため対策がされやすい点に難しさを感じる
- ダイマックスする関係上1回は技を耐える対面も多く,+1のダイマックス技2回で相手を倒せれば勝てると考えると有利対面が多い.また,ゴースト・毒・サブウエポンで見れる範囲が広く相性面でも有利をとりやすい.
- たたき台として想定していたのは,最速CS@スプレー 滅び,シャドボ,ヘド爆,雷の型.意識で威力140で打てる雷にしていたが,を意識するならエナボでもいい?ソウゲンでもH252ガラガラをワンパンできないうえにフィールドの回復がマイナスに働く面もあり採用率は雷に傾くと考えていた.
- 耐久型が基本的に鉄球を持つと考えると,S45のガラガラでも上から数回殴れる対面が多いだろうと踏んでいた.低いDをダイアースで補える点もGOOD.
- たたき台として想定していたのは,ASベース@骨 滅び,地震,雷P,エッジの型.素早さは60族抜きを,耐久面はの+1ソウゲン耐え調整を想定していた.エッジの枠は検討枠だが,にストリームから入られた場合に抜群火力を押し付けながら天候を変えることができる点を評価した.襷みたいなマイナー枠にもスリップ込みで勝ちをとることができる.
-
の一致技であるダイアースが自身の耐久を高めるのに対して,の一致技であるダイバーン・ダイホロウはどちらも自身の火力に貢献してくれるのが攻撃型としてGOOD.が無理すぎることが悲しい.
- 大会通知後に横遺伝が可能であることに気づいた主催者が追加で参加可能枠に設定した1体であり,注目度はそれなりに高かったと思う.
-
より遅い耐久型として注目.他の耐久型との差別要素として高火力で殴れる点が挙げられる.具体的には臆病CSに対して+1ダイ雷を耐えて反撃にダイ穴を掘るで落とすことができる.
- 鉄球を持つ前提では上からに押し切られることや,耐久調整をしたにも勝てないことから採用を見送ったが,メタとして強いと感じていた.
【戦えそうなポケモン】
上位をとれるかはわかりませんが戦えそうな,考察段階で浮かんでいたポケモンを挙げます.
- 鉄球を持たなくても鉄球最遅45族まで下回ることができる.
- ダイアース,ダイスチルを備えており耐久力はある.
- 高火力すぎる攻撃型のは受けられないため,どちらかといえばVS耐久ポケで輝く耐久ポケモンとして見ていた.
-
輝石よりほんの少し耐久が高い?そこまで計算してないからよくわかってない
-
鉄球を持っても最遅よりは速いので,鉄球を持つ前提の場合はでいいかもと思っていた.
- しいて言えば夢特性おみとおしが進化前にない要素であり,相手の持ち物を見てから柔軟に立ち回る型を考える場合は優先されるかなと感じている.
- 鉄球を持てばより下回ることができるため,有力な耐久型の中では最も遅いポケモンといえる.
- 特殊方面は非常に硬く,+1のホロウを弱点ながら少し耐久を振れば耐える.しかし,返しの攻撃で確定1発にするには若干火力に振ることになり,耐久型として運用するには悩ましい.
- 物理耐久は紙で,はもちろん,アクアブレイクを搭載したでさえ耐久して勝つのは難しい.
- 砕ける鎧を用いた攻撃型も考えられるが,弱点を付ける相手はまだしもあたりに勝つ方法が思いつかなかったので難しいかなと感じた.
個体紹介
@喉スプレー
性格:控え目
特性:自然回復
個体値:31-×-31-31-31-31
実数値(努力値):164(196)-×-132(137)-158(192)-120-123(20)
技:滅びの歌,リフスト,未来予知,花粉団子
考察段階で滅びの歌を覚えることは把握しており,がきついだろうな~と勝手に弱そう判定をしていました.しかしダメージ計算をしてみると
HBD無振りのダイマに対して
補正なしC252+1ダイホロウ(シャドボ)
96.0 ~ 113.1%
補正ありA252太い骨ダイバーン(フレドラ)
108.5 ~ 128.5%
と,どちらも「ちょっと調整すれば耐えそうじゃね?」という結果に驚きました.ALL100の種族値は偉大です.また,他の強そうポケモンに目を向けるとと草の一貫が半端ないです.一致技のダイソウゲン,ダイサイコが共にフィールドを展開し2発目以降の火力貢献をしていることも踏まえて,攻撃型に適していると判断しました.
物理or特殊においては,環境全体が特殊耐久に寄ってることやダイジェット(ダブルウイング)をうまく使えそうな物理型も考慮しましたが,結局強いアイテムである喉スプレーを持てる特殊型の方が強そうだという結論に至りました.おそらく,物理型だとBに厚く振ったを押し切れないんじゃないかな?火力アイテムがあればあるいは可能かもしれません.
以下の調整意図は被ダメ与ダメともにお互いダイマ時を想定しています.
調整意図~被ダメ~
H-B
補正ありA252太い骨ダイバーン(フレドラ)
85.7 ~ 101.0% (最高乱数以外耐え)
補正ありA252ダイジェット(ダブルウイング)
29.8 ~ 35.3%(低乱数3発 21.0%)
※グラスフィールドの回復2回込み
H-D
補正なしC252+1ダイホロウ(シャドボ)
85.7 ~ 101.0% (最高乱数以外耐え)
調整意図~与ダメ~
補正ありH252D252に対する+1ダイソウゲン
通常時 49.3 ~ 58.2%
グラスF・壁展開 31.8 ~ 37.5%
グラスF・壁展開&D+1 21.5 ~ 25.3%
ゆえに初手ソウゲン・センリツ
2ターン目ソウゲン・アース
3ターン目ソウゲンでが耐える確率 4.96% (203/4096)
※グラスフィールドの回復2回込み
補正なしH252-D無振りに対する+1ダイソウゲン
111.3 ~ 131.7% (確定1発)
補正なしH252-D無振りに対する+1ダイサイコ
55.6 ~ 65.8% (確定2発)
補正なしH4-D無振りに対するダイサイコ(相手にはスプレーが発動しない)
97.0 ~ 114.7% (高乱数1発 81.2%)
調整意図~素早さ~
余りの20をSに回しています.Cに回して不測の事態で押し切れるようにしてもよかったですが,ミラーも考慮してs実数値を3上げることにしました.一応最速と同速になっています.
後述しますが,S100族であるは無振りでも1回積むだけで最速を抜くことができます.強いは耐久調整にかなり努力値を使うこともあり,特にダブルウイングを採用する個体はS無振りorS4振りに留めることも多いと考えてそれを抜けるようにしていました.
技
滅びの歌:必須
リーフストーム:ダイソウゲンの最大火力
未来予知:ダイサイコの最大火力
花粉団子:ミラー用
必須枠の滅びの歌,一致技のリーフストーム・未来予知はすぐに決まりましたが,花粉団子の枠が悩みました.とくに悩んでいたのがダブルウイングです.
S100族であるの無振り実数値120は1回積むだけでS110族の最速実数値178をちょうど超えることができる数値になります.ダイサイコの与ダメが高乱数とは言えワンパン確率8割であることを考慮すると,ダイジェット⇒ダイサイコと動かすことでに対する安定感を高めることができます.また,耐久に少し割いた個体や襷個体まで考えると素早さ関係を逆転させるダイジェットは魅力的な技になります.
ダブルウイング:に対する安定感向上&襷ケア
花粉団子:ミラーは虫技を持った方が勝つ
これを比較し,ミラーの勝率を高める花粉団子を選択しました.一緒に考察していたみずもさんはダブルウイングを採用して参加していました.
に対しては耐久無振りなら結局8割で勝てる点や,襷個体に対しては喉スプレーが発動しないのを見てから動きを決められる点からピンポイントのダイジェットを搭載する必要性が花粉団子に比べると薄いと判断しています.
襷個体はC+1されないので,ダイワーム⇒ダイサイコと打つことで26.2%とわずかな確率ではありますがホロウ×2を耐えることができます.スプレー未発動を見ても初見で初手ダイワームを打つ勇気はないですが,再戦等で対応できるので妥協点とみています.
不利マッチ
事前に不利と感じていた相手と,その個体に関する環境予想です.
- 自分より速くて虫技を持つ
- 相手の方がうまいと割り切ります.耐久か火力のどちらかを犠牲にしているので,環境読みが相手の方が上手だということでしょう.
- ダイジェットとダイワームを両方搭載した
- さすがに一致技どっちか不採用はないと思って切りました.
- 控え目C252スプレー
- ミラー考えたら最速しかないと思ったので切りました.
- 襷
- 正直数人いてもおかしくないと思っていました.スプレーが発動することをただ願って対戦すると決めました.
- 草食
- 耐久型かつ火力あるのがの魅力だし,他に草技打ちそうなのがいないのでそこまでピンポイントな草食個体は切りました.
- 弱点をつけない&特殊耐久が高いポケモン全般
- 主になどが挙げられます.環境予想で挙げたように苦手な相手が多いので少ないと思っていました.
- 火力がある
-
に弱すぎるのでいないと思っていましたが,一致ダイジェットが痛すぎるので不利です.ここまで一切触れていなかったポケモンが不利に挙がってびっくりしています.
-
-
-
と違ってこちらからワンパンできないので上から弱点2回突かれて負けます.でもときつい相手が多すぎてさすがにいないやろと切りました.
-
- その他,びっくりアイテムを持った耐久型たち
- プリン以外の耐久型は鉄球を持つと思っているので,リンド・タラプ・回復実などを持たれると泣きます.
これだけ多くの不利マッチがありますが,以外は少なそうだし,これらも1番強い型からは離れていると思ったので対策しきれない範囲として割り切りました.
結果&雑感
結果は11勝4敗のレート1587 1位でした!
ついに1on1で1位を取ることができました!最終戦で負けて1600から落ちてしまいましたが,なんとか逃げ切ることができたようです.
負けた4戦は再戦も含んでいますが3回,タラプ1回です.まさかがこんなに多いとは思っていませんでした.1位~3位の使用ポケモンはとなっており,強そうだと感じていたポケモン自体は間違っていなかったと思います.使用率1位はとなっており,が上位に入れたのも環境に左右されたのだと思います.
大会後に他の参加者さんのツイートを見て気づきましたが,今回サムネにも上がっている色セレビィを使用したことにより,過去作技が搭載されていないことがバレるようです.たしか色セレビィを通常プレイで入手する方法はザルードの映画orポケモンGOしかなかったはず(違ったら訂正ください)なので,有識者にとっては色違いの時点で情報アドを取られるようですね.失念していました.
過去作技を見返しても採用を検討する技はありませんでしたが,相手に意識させると強いかもしれない技として「不意打ち・水の波動・電撃波」があるので,効果があるかはわかりませんが勝率の観点において通常色を用いない理由がありませんでした.以後気を付けます.皆様も過去作技OKの大会にセレビィを採用する際にはお気を付けください.
おわりに
久しぶりに1on1 参加して楽しかったです!さらに今回は1位を取ることができてよかったです.仲間大会でセレビィを活躍させてあげられるのは珍しいので,そこもうれしいポイントですね.
1on1 に限らず変わったルールの対戦楽しいので,またちょくちょく仲間大会に参加させていただこうと思います.
他の方の型も気になるのでコメントなりツイートなりで教えてくだされば嬉しいです。考察記事を書いてくれる人がいたらさらに嬉しいです。
考察・対戦ともに凄く楽しい大会でした。主催のはぐれさん、ならびに対戦してくださった方々ありがとうございました!
考察に付き合ってくれたみずもさんも,改めてありがとうございました.やっぱり自分だけじゃなくて一緒に考察するのは楽しいですね!